卒業検定【自動二輪免許・教習所】

自動二輪教習所

長々とやってきた教習所シリーズもいよいよラスト。

そう卒業検定です。

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検定日にまさかの使徒……じゃなく台風襲来

前にも書いたんですけど、卒検の日は少し前に決まっていて(仮置してて)その前日に集中的に乗る、という感じだったんですよ。

卒検を10月12日(土)に設定したのはその前の週末でした。5日に卒検日を決め、6日(日)に乗り、11日(金)に見極め、12日(土)が卒検、という感じ。

ですので、卒検を決めたときは、当然その日の天候を知る由もなしというわけで。

いや、記憶では「台風が発生した」というのは知っていた気がします。でもその時点で「卒検日に台風が来る」なんてことを予測することはできるだろうか、いやできない!

でも来ちゃうんですよねぇ……。

11日の見極めの段階で「12日は台風の影響で大荒れ。不要不急の外出は控えて下さい」みたいな予報がニュースになったりしていました。

教官に確認したところ「警報が出たら検定は中止」とのことで、逆に言えば警報が出ない限り検定は行われるとのこと。

幸いにも台風はやや東に逸れ、直撃ではありませんでした(関東直撃だったので、東日本在住の方には幸いではありませんけど)。

ただし、当日は風が凄い!

朝起きて外に出たとき「これは自転車では行けない」というくらい。雨は小降りだったのですが、これは出発前には止んでいました。

卒検前に歩いて確認

教習所には車で行きました(ヘタレ)。所定の時間になると受付をしてくれます。受付後に検定コースを渡されますので、それを持ってコースに行きます。

ちなみに検定コースはコース脇の休憩所にも貼ってあったのですが、それに気付いたのは当日でした。知っていれば事前に予習していたのに……。

でもまぁ、検定コースは「7コース」+「15時限でやったコース」の複合型という感じで、全く知らないコースというわけではありません。15時限目に、やたらとこのコースを走らされたのは、この伏線だったのか……と、ここで気づきました。

受付から卒検開始までは1時間ほどの時間があります。なので、ここで歩いてコースを確認していきます。

この日同じ卒検を受けるのは、以前何度もご一緒したAさんと、今回初めてお会いしたBさん。

Aさんは小型ATでコースが違うので、Bさんと一緒にひたすらコースを歩きます。色々情報交換しておきたいなぁ、と思っていたのですが、実際にはそれどころではありませんでした。

とにかく風が強い!

周辺に生えている木々はバッサバサと音を立てながら揺れまくっていますし、なんならコーンとかも飛びまくっています。「本当に警報出てないの?」というくらい。

こういうとき「人の持つ運」というのが試されるのだと思いますが、私とAさん、Bさんは運の備蓄が限りなく0に近かったみたいです。

本当は何周も歩いて確認したかったんですけど、あまりの風と、ぶっちゃけ疲れちゃったので1周歩いたところで休憩所に帰還しました。

休憩所で脳内シミュレートを繰り返していると教官登場。CDで卒検の注意点などを聞かされ、更に少し待ちます。その間にプロテクタを付けて、更にシミュレート。

10分後くらいに教官が戻ってきて、いよいよ卒検開始です!

2番目

卒検の順番はどうするんだろう……と思っていると、もう決まっていたみたいで私は2番目。

なんとなく最初がいいな、と思ってたんですが、まぁ3人ならどの順番でもそんなに変わりはない気もします。

最初はBさん。次に走る人は、コース中央にある待機所(と言っても屋根とベンチがあるだけ)で待つよう指示されます。

すぐにBさんがバイクを用意し始めたので、私も待機所に。この待機所には「ヘルメット・グローブ」以外には持っていくことができません。なので、もうコース確認はできない。

自分だけなのかもしれませんが、こういうとき直前に変なふうに記憶が上書きされ「あれ、どうだったっけ?」となることが多いんですよ。前回も書きましたが、卒検のコース間違いは致命的ではありません。

何度も何度も間違えたら検定中止になる可能性があるそうですが、一度や二度くらい分からなくなり訊くのはOK(と言われました)。それにBさんの検定を見てて知ったのですけど、教官が無線で教えてくれるんですよ。

「はい、次は4番右。その後急制動へ」みたいな感じで。だから、無線の声を聞いていればそんなに混乱することこはないはず。

そんな感じに割り切って考えて、Bさんの走っているのをボケーッと見ながらあまり集中しないように心がけておきました。基本的に小心者なので、あまり自分を追い込むと身体が動かなくなる(笑)。

Bさんが出発し、2周ほど回ったときのこと。突然、今日最大級の一陣の風ならぬ暴風が吹き荒れました。幸いBさんに影響はなかったようですが、私のグローブが盛大に飛ばされていきました。

ひとつは足元に転がっただけで済んだのですけど、もう一方はコロコロと転がった挙げ句コース上へ。

「ひぃぃぃ」

Bさんの検定の邪魔にならないように、バイクが一番遠くを通過しているときにササッと回収しておきましたが、正直かなり焦りました。

以後、グローブはメットの中に入れて一緒に抱えておくことに。メットが飛ぶことはないと思うんですけど……。

そうこうしている内に、Bさんは中盤最初の難関である……そう一本橋へ。

事前にコースを歩いているとき、Bさんも一本橋はあまり得意ではないと言ってました。ただ私ほどコテンテコンと落ちているわけではなく「たまに落ちる」とのこと。

「がんばれ、Bさん」

心の中で念じます。一時停止したBさんが、クラッチを繋ぎゆっくりと一本橋へ進み……そしてコテンと落ちました。

マジか!?

なんとなく風に煽られたような気もしないでもない感じで、フラッとした瞬間にはもうコテンと。

一本橋脱落は即検定中止です。Bさんはそのまま発着場へ戻ってきました。

そして自分の番へ

バイクを止めると教官がすぐに「しろもじさん乗って」と言います。正直「まだもう少し時間がある」と思っていただけに、大きく動揺しました。

「ダメだった」と肩を落とすBさんになんて声をかけていいのか分からず、頷くことしか出来ない私。本当にダメダメです。

メットをかぶりグローブを付け、バイクの隣に。「じゃ、始めて下さい」と教官の声がスピーカーから聞こえてきました。実はこの時点で致命的なミスをしています。

教習車には無線が積まれているんですが、乗車時にはこれのスイッチを入れてボリュームを最大にまで上げなきゃいけないんですよね。そして降りるときはオフにします。

Bさんは手順通りに無線をオフにしていました。そして私はオンにするのをすっかり忘れていました! ただ教官がいるコース全体を見渡せる塔にもスピーカーが付いているので、そこから僅かに声は聞こえてくるんです。

ただしそれは「バイクに乗っていないときに限る」なんですよ。だから「始めて」の声は聞こえました。

でもいざ乗って走り出すと、全然声が聞こえて来ないんですよ。当たり前なんですが。それに気付いたのは、実は教習が終わってから。ガッチガチに緊張していたので、声が聞こえないことすら分からなくなっていた模様です(まぁ逆によかったんですけどね)。

そんなこんなで検定が始まるのですが、実はよく覚えていません。風はたしかに吹いていたのですが、バイクに乗ってしまえばそこまで影響がなかったような気がします。と言うよりもBさんの検定のときが一番激しくって、私のときにはすこしだけマシになっていたようです。

うろ覚えの記憶の中で、鮮明に覚えているのはやはり一本橋。

ウチの教習所では急制動から一本橋に向かうのですが、急制動で停止した辺りで緊張感が抜けたのを覚えています。

「雨で濡れていたせい」+「40km/h出さないと検定中止を思い出した」ので、思いっきりスピード出して急制動したお陰で、思いっきりロックさせたんですよ。雨の日の急制動は、制動距離が伸びてもOKなんです。

だから速度と距離は問題ないとは思ってたんですけど、いつもと違う派手なロックでむしろ吹っ切れた感じになったんじゃないかなぁと思っています。

一本橋は前回のことをしっかり思い出して

  • 上半身は絶対に動かさない
  • 下半身もニーグリップ(軽く)
  • 一気にクラッチを繋ぎ、ブレーキは中盤まで使わない
  • 一本橋に乗ったら、とにかくハンドルをコキコキ左右に動かす
  • 中盤以降に安定したら、少しだけフットブレーキをかけて速度調整
  • 一本橋を降りる瞬間に左右確認(すぐ右折なので)

を意識しました。とくに1番目。お陰で危なげなく、実にあっさりと一本橋をクリア。

そしてまた記憶を失います(笑)。

気がついたら最後のカーブを曲がっていました。「あれ、これで終わりだっけ? それとももう一周ある?」と訳が分からなくなりながらも、とりあえず発着場へ停止。

教官の「それでは下車して下さい」の声に「あぁ、終わったんだ」と、やっと気が付くという感じでした。

長い待機時間

休憩所に戻り、Bさんとお話しながらAさんの検定を見ていました。Aさんも一本橋辺りで脱落したようで検定中止。

Aさんと教官が帰ってきて、検定中止になったAさんBさんはその場で補習とつぎの卒検予約。私は本館の方の休憩所で待つように言われました。

AさんBさんは「おめでとう」「よかったね」と言ってくれますが、これはあくまでも「検定中止にならなかった」というだけで、合格したというわけではありません。

何より本人が検定内容を覚えていないので「失敗した記憶がない」のと同時に「ちゃんと出来てた記憶もない」のですから、自信の持ちようもありません。

AさんBさんにお別れを告げ、私は本館に向かいます。「アナウンスが流れるので、それまで休憩してて」と言われます。休憩所には自動販売機とTVくらいしかない(雑誌とかもあったかな?)ので、スマホを見て時間を潰していました。

ただこの日は高齢者さんの適性検査(?)があったようで、すごい人数の方々が休憩所にいらっしゃいました。5人程度のグループごとに呼ばれていくのですけど、そのペースを見る限り相当時間がかかりそう。

30分くらい待っててようやく私以外の方々がいなくなります。

ここからがとても長く感じて、立ったり座ったりを何度も何度も繰り返していました。そしてやっとアナウンスで呼ばれます。

謎の部屋で衝撃事実が

「受付に来い」とのことだったので休憩所を出て向かっていると、途中で検定を担当してくれた教官が待っていました(余談ですが、まるやま教習所では教習はほとんど一人の教官が担当し、検定だけ別の方が担当されていました)。

教官は「合格」とだけ言います。

事前の説明では「合格不合格に関わらず、検定内容を説明します」と言われていたんですけど「合格」だけでした。まぁいいんだけど。

「あそこにあるドアに行って。校長がいるから」と続けられます。

指差す方を見ると、受付のドアの奥にもうひとつ小さなドアがありました。散々教習所に通っていて、あそこにドアがあるのは気づきませんでした。

ドアをノックすると「どうぞー」という声。

部屋に入ると……ソファーが一脚、椅子が一脚。その中央に小さなテーブルがある六畳ほどの小さな部屋でした。そして「お待たせしました。合格おめでとうございます」とにこやかに話す方。

作業ツナギを着てるので、てっきり「用務員さんかな?」と思っていたんですが、どうやら校長先生の模様。

とてもフランクな方だったんですけど、突然驚きの言葉が告げられます。

「これで合格、ではないんですよ」

「はい?」

「この後、運転免許センターに行ってもらいます。そこで試験があって、そこで合否が判定されます」

「はい?」

ご存じの方も多いと思いますが、運転免許を取得する際には教習所に通う方法と免許センターに直接試験を受けに行く方法があります。

前者の場合は教習所を卒業することで「技能試験」が免除され、免許センターでは学科試験だけが行われます(今回のように四輪免許保持者が二輪を取得するときは、学科試験もありません)。

後者の場合は技能、学科の両方を直接受けるということになります。

そして教習所には「公認(指定)」と「非公認」の二種類があります。一般的に教習所と言えば、前者のことになりますが、後者の場合はあくまでも「試験を受けるのは免許センター」になります(細かく言うと長くなりますので割愛します)。

ですから、私はこの時点で「あれ、ここって非公認だったっけ?」と思ってしまったんですよ。

だって校長先生が「免許センターで試験がある」って言ってるんですから。

で、結論から言うと、その試験とは「適性試験」のこと。もう少し平たく言えば「視力・聴力検査」のことです。

これね。多分、校長先生の持ちネタなんだろうと思うんですよね。合格して「やったー」となっている生徒に「まだ終わっとらんぞ」と言って驚かせて遊んでるみたいな。

いや、私も相当驚きましたけどね(笑)。ドラクエのラスボスかと思いましたよ。

無事卒業証書をもらい、校長室を後に。

AさんBさんと最後にお話したかったけど、合格している身としてはあんまり声かけにくいし、そもそも相当時間が経っているのでもう帰っているだろうし。

ということで、教習所は終わりです。

免許センターへ

少し長くなってきたので、後は簡単に。

岡山の場合「四輪免許保持者が二輪免許を書き加えるための手続き」は、月から金曜日の13:00から13:20分に受付があります(記事執筆時。ご自身で受ける際には必ず確認して下さい)。

予約は必要ないのですが、この時間に行かないといけません。持っていくものは、免許・卒業証明書・メガネ(コンタクト)・手数料です。

「写真が必要」とWebサイトには書かれているんですけど、向こうで撮影されるので私の場合はなくてもOKでした。

こういう手続はとにかく混み合うので、私は12:30くらいには着いて料金を支払った後、12:45には並んでいました。もちろん先頭。

まず視力・聴力検査をしてしばらく待ちます。

アナウンスで呼ばれるので写真撮影に。特に列になっていなかったんですが、係の方が「並んで」と言うとみんな2列くらいに並んでいきます。

みなさん行儀よく並ばれるのですけど、中には割り込みする方もいらっしゃったり。

写真を撮ったらまた待機です。とにかく待機、待機と時間がかかります。免許センターには食堂と自動販売機しかなく暇をつぶすこともできませんので、これはとても苦痛でした。

肝心のスマホも昨晩充電し忘れていたせいで、電池残量が心もとない。本があればよかった。

散々待たされて、ようやく交付のアナウンスが流れます。ここでも列にはならず団子状態。係の方が「それでは交付します」と言うと、どっと受付に殺到していきます。いや、並ぼうよ。

ですが「番号順です」だそうで、殺到していた方を押し分けながら、私が最初の受け取りになりました。かなり睨まれてたんだけど、私は悪くありません。

てな感じで、自動二輪免許取得シリーズはこれで終わりです。

40歳オーバー、運動神経衰え気味、足もそんなに長くない、という私でもちゃんと取得することができました。

最初は「絶対ムリだわ」と思ってしまうかもしれませんが、何事も慣れです。シリーズでも書いたように第1段階途中くらいから面白くなってきますので、興味がある方は挑戦してみるのもいいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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